第26回萩原朔太郎賞|2018年(平成30年)
受賞
中本道代 『接吻』
2018年(平成30年)7月、思潮社
広島での幼少期、父母の記憶、戦争の傷痕、何世代もの夢。長い時間を包含し、生けるものたちの愛と痛みを見つめる。10年ぶりの新詩集。
思潮社ホームページより
中本道代(なかもと・みちよ)さんの詩集が刊行されるのは10年ぶりとのこと。10年前に発表された詩集『花と死王』(思潮社 、2008年)は第18回丸山豊記念現代詩賞を受賞しています。また2012年には「現代詩文庫197」として『中本道代詩集』(思潮社、2012年)が出版されています。『接吻』の紹介には「広島での幼少期」とあるように、広島県で生まれ育ったようです。
1949年広島県佐伯郡(現広島市在伯区)に生まれる。五歳のころ広島市に転居。広島女学院中学・高校を経て京都大学文学部哲学科卒業(美学美術史専攻)。1985年第2回現代詩ラ・メール新人賞受賞。『花と死王』(2008年、第18回丸山豊記念現代詩賞)などがある。「Urtra Bards(ユルトラ・バルズ)」「オレンジ」同人
e-honホームページより
中本さんも受賞したラ・メール新人賞は、女性のための季刊詩誌『現代詩ラ・メール』でおくられていた賞です。『現代詩ラ・メール』は新川和江さんと吉原幸子さんのふたりを編集人として創刊され、1983年から1988年にかけては思潮社より、1988年から1993年までは書肆水族館より発行されていました。 そのほとんどの号で企画されていた「吉原幸子との対談」では、岸田今日子、田辺聖子、瀬戸内寂聴、戸川純、俵万智、やまだ紫など、さまざまな分野で活躍する女性を迎えました。
中本さんが参加している同人誌「Ultra Bards(ユルトラ・バルズ)」は、世田谷区の「七月堂 古書部」で取り扱いがありました。「詩とエッセイで構成される」というこの同人誌には、中本さんと同じくラ・メール新人賞を受賞した國峰照子さんも参加しています。
また、季刊総合文芸誌『抒情文芸 第170号』(2019年)では、「前線インタビュー:中本道代」と題して中本さんのインタビューが掲載されています。
|
|