詩の賞

詩集におくられる文学賞、受賞作品についてまとめています。

第24回中原中也賞|2019年(平成31年)

受賞

井戸川射子『する、されるユートピア

2018年(平成30年)9月、私家版

中原中也賞受賞の第一詩集、二二編。

青土社ホームページより

 

f:id:hisakawa-n:20191010195053j:plain

井戸川射子『する、されるユートピア

受賞したのは2018年9月に刊行された私家版ですが、2019年8月には青土社よりあらためて刊行されています。その青土社のホームページに、選考委員の評が掲載されていました。

 読み込むほどにさまざまに色変わりする詩の空間、その奥行や弾力性が魅力だ。
――井坂洋子

すべての言葉に神経が行き届き、単純な選択に思える言葉の一つ一つに、明白には書かれない「背景」があるように思えた。
――高橋源一郎

想念にとどまらず、書かれていることが実際に根差していることから発する判断力を感じさせる点に、好感が持てた。
――蜂飼耳

青土社ホームページより

これらの言葉に加えて、表紙のカラフルさ、「ユートピア」という単語は、ポップな印象を与えます。収録されているのはこれまで井戸川射子(いどがわ・いこ)さんが『現代詩手帖』や『ユリイカ』に投稿していたものです。ユリイカ 2019年4月号』青土社には収録作より「川をすくう手 熱帯鳥類館」「内部 母国 テンダー 大丈夫」「中空で飛ぶ」が掲載されています。


選考委員
荒川洋治井坂洋子佐々木幹郎高橋源一郎、蜂飼耳